分布容積とは、薬物が血中濃度と同じ濃度で全身に移行すると仮定した場合に、体内の全薬物量を含有するのに必要な液性容積のことです。
仮想的な値であり、組織や臓器への薬物の組織移行性の目安になっています。
うずちゃん
つまり、分布容積が大きいと、薬物は分布しやすいということになります。
分布容積が全体液量より大きい薬物、全体液量とほぼ等しい薬物、血漿容積とほぼ等しい薬物などは、必須問題で出題されることが多いです。
覚えていたら解けるので、サクッと覚えて得点源にしましょう!
分布容積
全体液量より大きい薬物
分布容積が全体液量を大きく超える薬物には、
- チオペンタール
- ジゴキシン
があります。
組織結合性が強く、組織内に蓄積されるため、分布容積は高い値を示します。
全体液量にほぼ等しい薬物
分布容積が全体液量にほぼ等しい薬物には、
- アンチピリン
があります。
細胞膜の透過性が高く、細胞内を含めて全体液中に均等に分布しています。
血漿容積にほぼ等しい薬物
分布容積が血漿容積にほぼ等しい薬物には、
- エバンスブルー
- インドシアニングリーン
があります。
血漿タンパク質との結合性が強く、ほとんど血漿中に存在します。
血漿タンパク質のゴロはこちら👇
細胞外液量にほぼ等しい薬物
分布容積が細胞外液量にほぼ等しい薬物には、
- バルプロ酸
があります。
血管壁から血漿中への移行はしていくものの、血漿タンパク結合がかなり強いため、血漿中薬物濃度が組織中薬物濃度よりも高い値を示します。
覚え方
- 大きな → 全体液量より大きい
- 知 → チオペンタール
- 人 → ジゴキシン
- 安 → アンチピリン
- 全な → 全体液量
- イ → インドシアニングリーン
- エで → エバンスブルー
- 化粧 → 血漿容積
- ばっちり → バルプロ酸
- 外へ →細胞外液量
分布容積が大きい薬物
一般に酸性薬物の分布容積は小さいですが、塩基性で脂溶性の高い薬物は大きな分布容積を示します。
分布容積が著しく大きい代表的な薬物には、
- アミオダロン
- クロルプロマジン
- イミプラミン
- アミトリプチリン
- ノルトリプチリン
- ジゴキシン
があります。
- あ → アミトリプチリン
- の → ノルトリプチリン
- 事故 → ジゴキシン
- あ → アミオダロン
- く → クロルプロマジン
- い → イミプラミン
- 大 → 分布容積大きい
うずちゃん
不明な点、間違い等ありましたら、コメントして頂けるとありがたいです。
すぐに改善させていただきます。
コメント