イトラコナゾールは、アゾール系の抗真菌薬で、併用による相互作用がよく見られる薬です。
うずちゃん
イトラコナゾールは、薬剤のADMEの範囲でよく登場します。
イトラコナゾールの相互作用をまとめて覚えておくと、点が線になり解けるようになるので、しっかりポイントを押さえましょう!
イトラコナゾール
作用機序
ラノステロールのC-14脱メチル酵素を阻害し、真菌細胞膜成分のエルゴステロールの生合成を阻害します。
適応
- 内臓真菌症(深在性真菌症)
- 深在性皮膚真菌症
- 表在性皮膚真菌症(爪白癬以外)
- 爪白癬
相互作用
① 食事の影響
難溶性(脂溶性)のイトラコナゾールは、食物(特に高脂肪食)摂取によって吸収量が増大します。
食事を摂ることで、胆汁の分泌が亢進し、胆汁酸の界面活性作用により、薬物の溶解性が改善されます。
その結果、イトラコナゾールの吸収量が増大するというわけです。
食事の影響を受ける難溶性薬物のゴロはこちらでチェック👇
② pHの影響
難溶性であり弱塩基性薬物であるイトラコナゾールは、PPIやH₂受容体遮断薬により胃内pHが上昇すると、消化管内での溶解性が低下するため、消化管吸収が低下してしまいます。
胃酸分泌抑制薬と相互作用のある難溶性&弱塩基性の薬物は他にもあります👇
用法
イトラコナゾールは胃酸で溶解する薬剤です。
- イトラコナゾール錠・カプセル(固形物)
- 食直後服用 → 胃酸が多く分泌されることで溶解
- イトラコナゾール内用液(液体)
- 空腹時服用 → すでに溶けているため、吸収性のよい空腹時投与
③ P-糖タンパク質の阻害
イトラコナゾールはP-糖タンパク質を阻害するので、P-糖タンパク質の基質薬物と併用すると、その基質薬物の吸収が増加し、血中薬物濃度が上昇するおそれがあります。
P-糖タンパク質の基質薬物を覚えておくと、競合阻害に関する問題も解けるようになります👇
④ CYP3A4の阻害
トリアゾール環を持つイトラコナゾールは、ヘム鉄の第6配位座に配位結合すると、CYP3A4の活性を可逆的に阻害します。
併せてCYP阻害薬&誘導薬も確認しておきましょう👇
まとめ
うずちゃん
不明な点、間違い等ありましたら、コメントして頂けるとありがたいです。
すぐに改善させていただきます。
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