うずちゃん
TDM(治療薬物モニタリング)をまとめて紹介しています。
ゴロでサクッと覚えましょう!
TDM(治療薬物モニタリング)とは、個々の患者の血中薬物濃度を測定し、用法・用量を個別化する作業です。
TDMを行うことが望まれる薬物には、
- フェニトイン
- バルプロ酸
- ジゴキシン
- テオフィリン
- グリコペプチド系抗菌薬
- 炭酸リチウム
- タクロリムス
- シクロスポリン
などがあります。
有効血中濃度の単位がng/mLの薬物
有効血中濃度の単位はμg/mLがほとんどですが、ng/mLの薬物もあります。
TDMで全血を使用する薬物
TDMで全血を使用する薬物のシクロスポリン、タクロリムスは、血球成分にも多く分布するため、全血試料を用いて分析する必要があります。
フェニトインの有効血中濃度
中毒症状 | 眼振、中枢抑制、運動失調、眠気 |
治療域 | 血漿中濃度 10~20 µg/mL |
分布 | 血漿タンパク結合に感受性あり (結合率90%) |
薬物動態 | ・主にCYP2C9、一部は2C19でほとんど消失 ・通常容量で代謝過程に飽和現象 (非線形性を示す) ・酵素誘導作用 |
バルプロ酸の有効血中濃度
中毒症状 | 眠気、痙れん、呼吸抑制、高アンモニア血症 |
治療域 | 血漿中濃度 50~100 µg/mL |
ジゴキシンの有効血中濃度
中毒症状 | 不整脈、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、頭痛、視覚異常 |
治療域 | 血漿中濃度 0.5~1.5 ng/mL |
薬物動態 | ・腎排泄によりほとんどが消失 ・消失半減期は1.5日 |
その他 | ・2相性(2-コンパートメントモデル)を示す ・新生児、妊婦、腎障害患者などの血液中には ジゴキシン様免疫反応陽性物質(DLIS)が存在 |
テオフィリンの有効血中濃度
中毒症状 | 頻脈、悪心・嘔吐、頭痛、下痢、不整脈 |
治療域 | 血漿中濃度 5~20 µg/mL |
吸収 | 消化管吸収がよい (バイオアベイラビリティはほぼ100%) |
薬物動態 | 主としてCYP1A2により代謝される |
その他 | 喫煙により代謝酵素が誘導される |
炭酸リチウムの有効血中濃度
中毒症状 | 手足の振戦、食欲不振、多尿、錐体外路症状、口渇、昏迷、歩行失調、意識障害 |
治療域 | 血中濃度 0.3~1.2 mEq/L |
薬物動態 | 代謝を受けず、未変化体で排泄される |
グリコペプチド系抗菌薬の点滴静注時間
バンコマイシン | テイコプラニン | |
---|---|---|
中毒症状 | 腎機能障害、聴覚障害 | 腎機能障害、肝機能障害、聴覚障害 |
吸収 | 消化管からほとんど吸収されない | |
分布 | ほとんど血漿タンパク質と結合しない | 血漿タンパク結合率は約90% |
薬物動態 | 腎排泄によりほとんどが消失 | 腎排泄によりほとんどが消失 |
消失半減期 | 6~12時間 | 46~56時間 (負荷投与) |
その他 | ・60分以上かけて点滴静注 ・時間依存的な効果を示す | ・30以上かけて点滴静注 ・時間依存的な効果を示す |
うずちゃん
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