薬学部6年生や既卒生が一番気になるのは、毎年2月にある薬剤師国家試験ですね。
人は3ヵ月あれば、変わることが出来ると思っています。もちろん、ダラダラ過ごしてもダメですよ。
ただそれだけのことを考えて、ストイックに行動すればの話ですが、、、。ダイエットも然り、勉強も然りで、達成することは可能です。
実際、私は3ヵ月で10キロの減量を達成できたし、薬剤師国家試験も3ヵ月で合格を勝ち取ることができました。
そんな私が実践した勉強法を紹介していこうと思います。国家試験はもちろん、CBTを控えている方も必見です。
12月から本格的に国家試験対策スタート!
私の大学は、9月、10月、11月、12月のそれぞれの月末に卒業試験がありました。しかも9月、11月の卒試は薬学ゼミナールの模試でした(涙)
鬼ですね、、、。
9月に入ってからぼちぼち卒試対策(過去問の答えの暗記)は始めました。
実は、11月末まで塾と家庭教師のアルバイトをしていました。しかも、週5日で1日4時間程度は働いていました。
なぜギリギリまで働いているかというと、学費は奨学金で、生活費は自分で稼いでいたからです。
9月~11月は授業が終わるとすぐにアルバイトに行き、21時まで働いて、その後は学校に戻り23時まで必死に勉強していました。
その頃、平日の自習時間は2時間くらいで、週末はアルバイトを入れていなかったので、予定がなければ1日中勉強していました。
12月の卒業試験が終わると、学校の授業も終わり、アルバイトも辞めていたので、毎日朝7時くらいから学校に行き、23時くらいまで自習していました。
この結果、私はたった3ヵ月で国家試験本番で268点を取り、合格することができました!
圧倒的に勉強時間が足りない感じがするのですが、それでどうやって国家試験に合格できたんですか?
どうせ、最初から合格圏内にいたんでしょ!
模擬試験を3回受けたんですが、A判定など最後まで取ったことがなく、ずっとBかC判定でした。
しかも勉強時間が足りなかったので、いかに効率よく勉強するかを常に考えていました。
そのやり方を詳しく解説していきますね。
使っていた教科書
大学によって採用しているテキストが違うと思いますが、私の大学は薬学ゼミナールの「青本」でした。
薬剤師国家試験対策参考書【薬学ゼミナール】
いわゆる青本ですね。
青本は、薬剤師国家試験を受験する学生の95%以上が国試対策参考書として使用しているので、これさえ網羅すれば、合格できます!(経験者は語る)
ここに載っていない知識は、間違いなく皆も知らない事なので、解けなくても
心配ないさ~♪(大西ライオン風)
って感じで楽観視していました。
さて、私が使っていたのは、2017年度版(第102回国家試験対策)だったのですが、この頃の青本は1冊の中に参考書と問題が一緒になっていて、かなり分厚く持ち運びも大変でした。
しかし2021年度版(第106回国家試験対策)からは、参考書である「青本」と、既出問題・薬ゼミオリジナル問題が詰まった「青問」の2分冊セットになっています。
参考書だけだと、私が使っていた頃の参考書の半分の薄さになっているので、かなりコンパクトです。
問題集の「青問」には、過去7年分の既出問題と薬ゼミオリジナル問題が収載されており、中でもそのオリジナル問題は、薬ゼミの過去の模試問題や薬ゼミに通う学生だけに提供されていた問題なのだそうです。
領域別既出問題集【薬学ゼミナール】
過去7年間に出題された薬剤師国家試験の問題を領域別にまとめた問題集です。
いわゆる「過去問」ですね。
過去問は、実際に出題された問題のため、これらを解く事で薬剤師国家試験の雰囲気や出題傾向を知ることができ、自分の弱点を把握するのにも役立つので、絶対に必要ですね。
各項目ごとに最小限ですが、要点がまとめられているページがあるので、私はそこに覚えたい知識を書き込んで、オリジナルの要点集を作っていました。
最新版の参考書をもっている方は、青問に過去7年分の過去問が掲載されているので、領域別既出問題集は不要だと思います。
薬ゼミからは、他にもたくさん色んな種類の対策本が出ていますが、私は参考書と過去問のみで乗り切りました。
色々と手を出すより、1つのモノに集中することが重要です!
短期集中で合格するためにしたこと
国家試験の過去問を解きまくる
3ヵ月しかないので、効率的に量より質で勉強していきたいところですよね?
しかし国家試験の過去問を解く際は、
質より量
が重要です。
(6)過去に出題された試験問題(既出問題)の取扱いについて
既出問題のうち、薬剤師に必要な資質を的確に確認することが可能な良質な問題として一定の評価が与えられた問題を活用することとし、その割合は、20%程度とする。ただし、既出問題が十分に蓄積されるまでの間に活用する割合は、この限りではない。
既出問題の活用にあたっては、単なる正答の暗記による解答が行われないよう、問題の趣旨が変わらない範囲で設問及び解答肢などを工夫することとする。
「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」『厚生労働省ホームページ』
〈https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000112014.pdf〉(2020/12/06閲覧)
厚生労働省が「類似の過去問を20%程度は出題する」と言っているくらいなので、たくさん問題を解くことで、国家試験に出題される可能性のある問題に触れることが出来ます。
過去問を解くだけで、合格に一歩近づけるというわけです。
じゃあ、過去問は何年分を何回解いたらいいんですか?
教えて下さい!
正直、過去問を何年分、何回解くのが正解か分からないです。
そ、そんな~!
例えば7年分を5回以上解いたとしても、ただ単に解いて復習もせず、全く身についていなければ意味がないです。
逆に7年分を1回しか解いていなくても、分からないところはしっかりと理解し、覚えていないところは何度も忘れないように復習すれば、必ず知識が身につきます。
私は時間がなかったので、過去問7年分を2回しか解いていないですが、ただひとつ言えることは、
過去問を解かずして、国家試験突破はあり得ない!!
よって、絶対に最低1回は7年分の過去問を解いてください。先ほど紹介した領域別既出問題をすべて解くだけ、7年分×345問=2415問の問題に触れることなります。
薬剤師国家試験を突破するためには、かなりの知識量を必要とします。
ただ闇雲に最初から解いていては、解くべき問題を解かずに、国家試験当日を迎えることになります。
それでは、出来る限り効率よく、戦略的に進める勉強法を紹介していきます。
まずは必須問題から攻略
7年分の国家試験の問題数に圧倒された方もいると思います。
最初から理論や実践問題を解けとは言いません。
解いても、きっとチンプンカンプンでしょうから。
そこで、まずは必須問題を攻略していきましょう。
必須問題だけで言えば、問題数は7年分×90問=630問。
さっきの2415問よりはるかに少なく感じるでしょう?(笑)
なぜ必須問題からかというと、必須問題は比較的得点を取りやすく、暗記すべき知識がたくさんちりばめられているからです。
必須問題をしっかり理解し、暗記することで、その分野の全体像が見えてきます。
そうすると、理論や実践問題にスムーズに移行することができます。
正答率の高い問題を解けるようにする
薬ゼミの国家試験の総評論(第99回~第105回)によると、正答率70%以上の問題数は、
- 第99回で190問
- 第100回179問
- 第101回で212問
- 第102回で201問
- 第103回で197問
- 第104回で210問
- 第105回で177問
となっていました。
幅広い知識が必要とされる薬剤師国家試験ですが、正答率の高い問題だけでも200問前後あるみたいですね。
さらに正答率60%以上となると、
- 第101回で253問
- 第102回で251問
- 第103回で230問
- 第104回で252問
- 第105回で223問
となり、合格ラインを超えるくらいの問題数があります(第100回以前の情報は見つかりませんでした)。
つまり薬剤師国家試験は、難しい問題が解けなくても、正答率60%以上の問題さえすべて解ければ、合格できる試験というわけです。
正答率の高い問題は、皆が解ける、つまり知っておかないといけない知識ということなので、確実に解けるようにする必要があります。
よって正答率が高いにも関わらず、間違えた問題があれば、後回しにせず勉強することをおすすめします。
出題率の多い領域に多くの時間を割く
出題傾向を確認してみると、どの分野からも均等に出題されるわけではなく、病態・薬物治療・薬理・薬剤など現場に出たときに必要になってくる分野に大きなウェイトが置かれています。
つまりこの4分野に対して、多くの時間を割く必要があります。
だってほとんど出ないような分野にすごく時間をかけても無駄ですよね。
これらの頻出の分野は、他の分野の問題を解く上でも、大きく絡んできます。
早速、取り掛かりましょう。
〇✖だけで満足しない
問題を丸付けするとき、答えがあっているかどうかだけを確認するのではなく、なぜこの選択肢が間違っているのかを明確にしましょう。
間違っている選択肢は、間違い箇所を必ず訂正して、正しい知識をしっかりと覚えることが重要です。
問題を解き進めていくと、この問題はひっかけ問題だなと分かってくる時が来ます。
その時は、もう合格したも同然。
この域に達するまで、ひたすら問題を解きましょう。
模擬試験の復習は必ず行う
私が大学の時に受けた模試は、すべて薬ゼミのものでした。
国家試験を受けたとき、薬ゼミの模試にすごく似ていると思ったし、山かけも驚くくらい当たっていました。
きっと薬ゼミと国家試験作成者の間に癒着がありますね(笑)
模試は各予備校が国家試験の傾向を分析して作られているので、薬ゼミに関わらず、模試は今後国家試験に出題される可能性のある問題の宝庫だと思って下さい。
復習をして知識をモノにしましょう!
模試の結果で、一喜一憂している時間はありません。
点数が悪かった場合、これが国家試験当日ではなかったと喜びましょう。
むしろ、分からないところが浮き彫りになってよかったと感謝してもいいくらいです。
ゴロノートを作る
ゴロノートって何?
まとめノートみたいなものなの?
そんなの作る時間ないよ。
ゴロノートは、まとめノートとは違います。
まとめノートみたいに作るのに時間はかからないので、心配はいらないですよ。
時間が無くなるにつれて、無駄にノートまとめとかしだす人って周りにいませんか?
ノートまとめはただの作業で、復習しなければ時間の無駄です。
しかも手作りまとめノートよりはるかに良いものが、各予備校から発売されています。
「時は金なり」です。
作るくらいなら買いましょう!
ゴロノートは、そのまとめノートとは違います。
少し前に流行った付箋ノートのことを私が勝手にゴロノートと呼んでいます。
過去問を解いたり、模試の復習をしている時に、分からないことがあれば、要点や作ったゴロを付箋に書いてノートに貼っていくだけで作ることが出来ます。
ぶっちゃけ、薬剤師国家試験問題の中にはゴロを覚えているだけで解ける問題はたくさんあります。
自分が苦手としている所は積極的にゴロを活用し、効率的に勉強するのも良いでしょう。
スキマ時間を最大限利用
12月から本格的に勉強を開始しているので、本当に時間がなかったんです!
ちょっとのスキマ時間も立派な勉強時間になります。
覚えられない知識やゴロが書いてあるゴロノートは常に持ち歩き、トイレ、お風呂、ごはんの時はもちろん、移動中や空いた時間があれば、ゴロノートを開いて、忘れないように反復していました。
参考書は辞書的に使う
参考書を最初の1ページ目から読まないと気がすまない人っていませんか?
それ実は、私のことです。
しかし、今回は時間がなかったので、そんな私でも最初から読むなんてことはしませんでした。
かなり時間に余裕のある方なら良いのですが、6年生のしかも12月でそれをすると必ず落ちます。
自殺行為なので、今すぐ辞めてください。
参考書は、過去問を解く中で、理解を深めるために使っていましたが、あくまでサブ的な役割でした。
解説を読んでも分からない問題があれば、参考書を見返し、理解できるまで読み込みました。
その時に、周辺知識も一緒に覚え、忘れないように付箋に書き込んだり、ゴロを作ったりして、ゴロノートに貼っていました。
無料で有益な情報を利用
9月くらいから、周囲で薬ゼミなどの予備校に通いだす人が増えてきて、内心焦っている方もいると思います。
そんなお金ないよ~!
これじゃ国家試験受からないよ~!
予備校に通わなくても、無料で有益な情報を得る方法はたくさんあります。
私もこれを利用して、お金をかけずに合格しました!
薬ゼミのオンライン教室の無料ページを利用
是非登録してもらいたいのは、薬ゼミのオンライン教室のお試しです。
お試しライセンスに登録すれば、国家試験の過去問や薬ゼミの模試の解説動画、いくつかの授業動画も見ることが出来ました。
私は年末に期間限定で、たくさんの動画を無料で見ることができました。
その時々で状況が違うと思うので、オンライン教室をチェックして、今どれが無料なのか確認してみて下さい。
就活セミナーで行われる予備校の無料授業に参加
各企業が予備校とタッグを組んで、未来の薬剤師を呼び込むために、無料で国家試験の過去問を配ったり、授業を行ったりします。
無料なので、行われる授業内容をチェックして、苦手な分野だったら参加するのもいいと思います。
だた、企業説明会なので、スーツでいかないといけないのと予備校の授業の前後にある企業説明会に参加しないといけないのがかなり面倒ですね。
もしかしたら私服OKで、企業説明会は参加せずに予備校の授業だけ受けることが出来るかもしれないので、その辺も調べて行った方が良いですね。
私も私服で参加したことはありますが、周りはスーツが多かったです。
大学で行われる予備校の授業を受ける
大学によっては、予備校講師を招いて国家試験対策を行っているところもあると思います。
教授の授業はカリキュラムに沿ったものですが、それとは違い、予備校は合格するために必要な知識やテクニックをたくさん教えてくれるので、かなり役に立ちました。
無料もしくは低料金で受けることが出来るなら、是非受けてみて下さい。私の大学は1日4コマ(1コマ90分)の授業が数日間あったのですが、1日1,000円という低価格でした。
予備校に通っていた友人曰く、授業内容はさほど変わりがないみたいなので、追加して予備校に通う必要はないと思います。
大学である予備校の授業だけでも復習することが山ほどあります。
それとは別に予備校に通っていた人は、復習が追い付かず、国家試験すら受けられない人が結構いたので、1つのことに集中した方がよさそうですね。
まとめ
- 過去問は7年分を2周で十分
- 必須問題をまず攻略
- 出題率が高い問題や正答率の高い問題を確実に解けるように
- 参考書は最初から読まず、辞書として使う
- ゴロノートを作って、何度も復習
- 無料の授業を活用
- 寝る以外は勉強のことを考える
もちろん、今回ご紹介した勉強法は一例で、私やこのやり方を実践した友人はこれで合格を勝ち取りました。
皆さんに合うかどうかは分からないですが、参考にしてもらえればと思います。
まだまだ時間のある方は、CBTなら4年生になる前から、国家試験なら6年生になる前から、コツコツとしっかり対策していくことをおススメします(笑)
「いつ勉強を始めるの?」「今でしょ!」(林先生風)
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